ビジネスの世界において「マーケティング」や「データ利活用」という言葉を聞かない日はありません。しかし、多額の投資をしてシステムを導入したものの、現場ではデータが活用されず、施策も一過性の「打ち上げ花火」で終わってしまう……。そんな課題を抱える企業は少なくありません。
こうした「戦略(構想)」と「現場(実装)」の間に横たわる深い断絶を解消する処方箋として、今一冊の書籍が注目を集めています。事業共創カンパニーの株式会社Relicが2026年2月18日に刊行した、『顧客との「関係」を育てる実践マーケティング──地域金融機関の変革事例から学ぶデータ利活用の本質』です。
発売直後にAmazon Kindle総合1位を獲得
本書は、Relicが展開する出版レーベル「Relic Publishing」の第3弾。発売直後から大きな反響を呼び、Amazon売れ筋ランキングのKindleストア部門で総合1位を獲得しました。このヒットを受け、新たにペーパーバック版(紙の本)の販売も開始されるなど、デジタル・アナログ双方で読者の手に渡っています。
著者は、Relicグループで数多くの新規事業開発をリードしてきた倉田丈寛氏と、電通総研で大規模なシステム実装を担ってきた須賀洋介氏の二人。ビジネスの「攻め」とシステムの「守り」、それぞれのプロフェッショナルが手を組むことで、理論だけではない「動く仕組み」の作り方を提示しています。
データを「資産」に変える3つの設計原則
本書の核心は、データを単なる情報の蓄積(フロー)として終わらせず、組織の「資産(ストック)」へと変えることにあります。そのために提唱されているのが、「情報・プロセス・組織」という3つの設計原則です。
■1.情報の設計
バラバラに管理された接点を「線」の体験としてつなぎ直す
■2.プロセスの設計
KPIを「次の意思決定」のために設定し、CRMやMAを連動させる
■3.組織の設計
経営の意志と現場の行動を一致させ、使い込むほど「賢くなる」仕組みを育てる
特に、検討期間が長く信頼が重視される「高関与商材」を扱うビジネスにおいて、これらの原則は強力な武器となります。本書では地域金融機関の変革事例を題材にしていますが、その本質は業種を問わず、顧客との長期的な関係構築を目指すすべての企業に応用可能なものです。
Relicが推進する「1人1冊・1事業」の志
この書籍の誕生背景には、Relic独自の組織開発構想「1人1冊・1事業」があります。これは、全社員が自らの実践知を言語化した「書籍」を執筆し、同時に主体的な「事業」の創出に挑戦するという野心的な取り組みです。
「Relic Publishing」は、社員一人ひとりの知見を社会の知的資本として可視化するインフラとして機能しています。不確実な未来に挑む企業の挑戦こそが、後世に残すべき最大の遺産(relic)である――。そんな社名に込められた思想が、本書のような質の高いアウトプットへとつながっています。
まとめ:データに「命」を吹き込むために
デジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれる中、多くの組織が「道具(ツール)」を揃えることに終始しています。しかし、本当に必要なのは、その道具を使ってどう顧客と向き合い、どう組織を動かすかという「実践の知恵」です。
『顧客との「関係」を育てる実践マーケティング』は、データの海で溺れかけているマネージャーや、現場の動かし方に悩むリーダーにとって、確かな指針となるでしょう。データを「停滞」させず、「循環」させる。その一歩を、本書から踏み出してみてはいかがでしょうか。