現代社会でなぜ今、「数学」が求められているのか
近年、私たちの生活はAI(人工知能)やビッグデータの活用により劇的な変化を遂げています。スマートフォンのレコメンド機能から、自動運転技術、さらには複雑な経済予測まで、現代社会を支えるテクノロジーの根幹には常に「数学」が存在しています。
こうした背景を受け、教育現場でも大きな動きがありました。昨年末には、高校の必修科目である「数学Ⅰ」の学習指導要領改訂案が提示され、数学の全体像を俯瞰する「数学ガイダンス」や、データサイエンスの基礎となる数列・行列を扱う「社会を読み解く数学」の新設が検討されています。もはや数学は「理系だけのもの」ではなく、政治、経済、そして日々の意思決定を正しく行うために、すべての人に必要な「リテラシー」へと進化しているのです。
しかし、一方で「数学は学生時代に挫折した」「公式の暗記ばかりで面白さがわからなかった」という苦手意識を持つ人が多いのも事実。そんな人々に、数学の深さと楽しさを再発見させてくれる待望の新刊が登場します。
「役立つ」と「面白い」の両面から迫る数学の世界
2026年1月16日に株式会社ナツメ社から発売される『知って、感じて、好きになる! 面白い数学の教科書』は、単なる学習参考書とは一線を画す、大人の教養としても楽しめる一冊です。
本書の監修を務めるのは、東洋大学理工学部教授の小山信也先生。NHKの番組「笑わない数学」シリーズの監修でも知られる、数学の面白さを伝える第一人者です。小山先生は、数学には「実社会に役立ち、生活を豊かにする」という側面と、「純粋な好奇心を満たし、精神を豊かにする」という側面の2つがあると言います。
本書では、この両方の視点から数学の魅力を掘り下げています。
■1..実社会を動かす「役に立つ数学」
私たちの身の回りには、数学が応用されている事例が溢れています。本書では、仮想通貨を支える暗号技術、災害予測に役立つ「防災数学」、ビジネスの意思決定に使われる「ゲーム理論」、さらには統計データの裏に隠されたパラドックスなどを紹介。抽象的な数式が、どのようにして私たちの現実世界を便利にし、安全を守っているのかを解き明かします。
■2. 知的好奇心を刺激する「深遠な数学」
一方で、数学には実用性とは無関係に、人間の知性が到達した究極の美しさや謎が存在します。日本が世界に誇る「ABC予想」の進展や、300年以上解かれなかった「フェルマーの最終定理」、さらには「四色問題」や「コラッツ予想」といった未解決問題まで、ドラマチックな数学者たちの歩みとともに解説。
なかでも、ゼータ関数論の専門家である小山先生自らが紐解く「リーマン予想」と、その発展形である「深リーマン予想」の解説は、数学の奥深さを知る上で必読のトピックです。
イラスト満載!「挫折した人」でもスラスラ読める工夫
本書の最大の魅力は、その「圧倒的なわかりやすさ」にあります。数学に苦手意識を持つ人の多くは、複雑な数式を見た瞬間に思考が止まってしまうもの。本書では難しい数式を極力省き、イメージを膨らませるための豊富なイラストや資料をオールカラーで掲載しています。
概念を視覚的に理解できるため、文字通り「見て、感じて」納得できる構成となっており、学び直しをしたい大人はもちろん、これから本格的に数学を学ぶ中学生にも最適な一冊となっています。192ページというボリュームながら、A5判のコンパクトなサイズ感で、どこからでも気軽に読み進めることができるのもポイントです。
監修・小山信也先生が贈る「数学への招待状」
監修者の小山先生は、これまで数多くの著書を通じて「数学をする」ことの意義を伝えてきました。本書においても、専門的な知見をベースにしながらも、読者が「数学ってこんなに自由で面白いんだ!」と感じられるような工夫が随所に凝らされています。
人類が数千年にわたって積み上げてきた数学という知の遺産は、今や未来を切り拓くための最強のツールとなりました。本書を通じて数学を「好き」になることは、複雑化するこれからの社会を生き抜くための、新しい視点を持つことに繋がるはずです。
冬の夜長、あるいは通勤・通学のお供に、この「面白い数学の教科書」を広げて、知的な冒険に出かけてみてはいかがでしょうか。
【書籍情報】
書名:知って、感じて、好きになる! 面白い数学の教科書
監修:小山 信也(こやま しんや)
発行:ナツメ社
発売日:2026年1月16日
定価:1,870円(税込)
仕様:A5判/192ページ/オールカラー