疲れは現代病。若手ビジネスパーソンの5割以上が抱える「体力不足」問題
「いつも疲れている」「体調を崩しやすい」「ムリがきかない」。現代のビジネスパーソン、特に若手世代の間で、こうした悩みが深刻化しています。サントリー食品インターナショナルの調査では、18~34歳の53%が体調の悩みを抱え、パフォーマンスが30%程度低下していると回答。また、日本リカバリー協会の調査では、20代の55.9%、30代の54.7%が高頻度で疲れを感じているという、深刻な実態が浮き彫りになっています。
働き方改革によって労働時間は短縮傾向にあるにもかかわらず、仕事量は減るどころか増加しており、限られた時間の中で高い集中力と成果が求められる時代です。特に体力に自信のない人々は、従来以上に大きな負担を感じています。
こうした現状を踏まえ、精神科医の和田秀樹氏が、体力不足に悩む人がムリも我慢もせずに結果を出すための具体的な戦略をまとめた書籍『体力がない人の仕事の戦略』が、クロスメディア・パブリッシングより発売されました。
体力不足を「特性」と捉える!精神科医・和田秀樹氏の視点
著者である和田秀樹氏は、東京大学医学部を卒業した精神科医であり、高齢者医療や精神医学の分野で多くの著書を持つ知の巨人です。彼は、体力がないという問題を単なる「欠点」として捉えるのではなく、「その人が持つ特性」として認識し、その特性に適した働き方を見つけることが重要だと説きます。
本書の核となるのは、限りある自分のエネルギーをいかに賢く配分するか、という戦略的思考です。体力がないからこそ、効率的でムダのない働き方を追求する――この視点の転換こそが、現代のビジネスパーソンにとって最も必要な発想なのです。この戦略的アプローチを身につければ、体が弱くても、ムリなく成果を出すことが可能になります。
成果を出すための「手抜き3原則」を徹底解説
和田氏が、体力のないビジネスパーソンに向けて提唱するのが「手抜き3原則」です。これは決して怠慢を推奨しているわけではなく、最小限のエネルギーで最大限の成果を出すための、極めて戦略的なアプローチです。
その原則とは、以下の三点です。
1.ムリして我慢しない
2.限界まで頑張らない
3.嫌なことはやらない
従来の「頑張り信仰」を捨て、自分のエネルギーを不必要なことに浪費しないという強い意志を持つことが、長期的に高いパフォーマンスを維持するための鍵となります。本書では、この3原則を基に、「なるべく体力を使わずに働く戦略」「体調不良を最小限にする戦略」「仕事をスムーズに進める優先順位の戦略」「体力を回復させる休み方の戦略」という4つの観点から、計35の具体的な戦略が詳細に解説されています。
従来の常識を覆す!ムリなく効率化を図る35の戦略
本書で紹介される35の戦略は、実践的なものばかりです。その中には、従来のビジネス常識を覆すような、斬新で効果的なメソッドが満載です。
例えば、メンタルの疲労を抑えるために「得意な仕事から先にやる」ことで、モチベーションとエネルギーを最大限に活用する戦略。また、完璧主義を捨て「提出書類は中途半端な状態で上司に見せる」ことで、手戻りのコストと精神的な疲労を最小限に抑える方法。
さらに、現代的なツールとしてChatGPTなどのAIツールを積極的に活用し、肉体的な労力を削減する方法や、パナソニックの創業者である松下幸之助も実践したとされる「人の力を賢く借りる」手法など、古今東西の知恵を組み合わせた実践的なテクニックが紹介されています。
本書の核となるメッセージは、「今よりラクな方法を探す」という意識改革です。体力がないという現実を受け入れ、ムリや我慢をすることなく、戦略的に最短距離で目標を達成するためのロードマップが、この一冊に凝縮されています。いつも疲れを感じている人、体調不良に悩む若手社員、そしてその管理職まで、働くすべての人にとって、新しい働き方を見つけるための必携の書となるでしょう。
【書籍情報】
タイトル:『体力がない人の仕事の戦略』
著者:和田秀樹
定価:1,760円(本体1,600円+税)
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング
発売日:2025年11月28日