文化が香り、街にひらかれたホテルへ。サンルート熊本が「HOTEL TAU」として再生
「場と機会をつくり、うれしい時間を提供する」を理念に掲げる株式会社ひらく(日販グループ)は、熊本県熊本市の繁華街で長年親しまれてきた「ホテルサンルート熊本」のリブランディングをプロデュースし、都市型ブックホテル「HOTEL TAU, KUMAMOTO(ホテルタウ熊本)」(2025年10月1日オープン)として再生させました。
今回のプロジェクトでは、単なる宿泊施設の刷新にとどまらず、土地が持つ歴史的価値を掘り起こし、宿泊客と地域の人々が文化を通じて交わる拠点作りを目指しています。その核心となるのが、2026年2月に開業を控える文学ミュージアム「夏目パージアム」の併設です。
「HOTEL TAU, KUMAMOTO(ホテルタウ熊本)」
夏目漱石の息遣いを感じる「旧居跡」での新たな宿泊体験
ホテルが建つ場所は、かつて文豪・夏目漱石が熊本で暮らした旧居の跡地です。漱石は熊本での体験をきっかけに名作『草枕』などを生み出しており、まさに近代文学の息吹が感じられる土地でもあります。
リブランディングのコンセプトは「Travel As Unique ~ユニークな旅を~」。この歴史的背景を軸に、以下の3つのポイントで独自の価値を提案しています。
① 約5,000冊を蔵書する宿泊者専用ライブラリー「TAU Library」
ホテル4階のエントランスには、宿泊者だけが足を踏み入れられるブックライブラリー「TAU Library(タウ ライブラリー)」を新設。「熊本を歩く」「漱石をほどく」「文化とつながる」という3つのテーマに基づき、専門のブックディレクターが約2,000冊を選書。スタッフによるセレクトも含め、合計約5,000冊の書籍が訪れる人々を待っています。
また、漱石の日記から引用した“食”にまつわる一節を什器にあしらうなど、空間そのものが文学的な感性を刺激する演出となっており、旅の途中でふと本と出会う「うれしい時間」を提供します。
TAU Library
② 漱石の「人柄」に触れる新施設「夏目パージアム」
2026年2月の開業を予定している「夏目パージアム」は、ひらくが考案した造語“Perseum(パージアム)”(Personality=人柄 × Museum=博物館)を冠した文学ミュージアムです。文豪としての業績だけでなく、漱石の人間味あふれるパーソナリティにフォーカス。敷居が高いと思われがちな文学を、より身近に、そして深く楽しめる新しい文化体験の場として、ホテル1階に誕生します。
TAU Library
③ 地元クリエイターとの協働によるリブランディング
ロゴデザインやWebサイトの刷新には、熊本を拠点に活動するクリエイターを積極的に採用。土地の空気感や等身大の魅力を大切にしながら、視覚的にも「ユニークな旅」を体現するクリエイティブを実現しました。
TAU Library
熊本の街に新たな文化の灯をともす
株式会社ひらくは、これまでに入場料のある本屋「文喫」やブックオーベルジュ「箱根本箱」など、数多くの文化的コンテンツを活用した場づくりを手がけてきました。今回の「HOTEL TAU, KUMAMOTO」においても、その知見が惜しみなく注ぎ込まれています。
歴史と現代のクリエイティブ、そして「本」というメディアが融合したこのホテルは、宿泊客にとって熊本の旅をより深く、ユニークなものにするだけでなく、地域住民にとっても文化が香る「街にひらかれた存在」として新たな価値を提供していくことでしょう。
【施設概要】
名称:HOTEL TAU, KUMAMOTO(ホテルタウ熊本)
住所:熊本県熊本市中央区下通1-7-18
フロア構成:
4階:ホテルレセプション、ライブラリー「TAU Library」
5~10階:客室(全69室)
1階:「夏目パージアム」(2026年2月開業予定)
公式サイト:https://tau-kumamoto.com/
日常を忘れ、文豪の愛した土地で本に囲まれる。「HOTEL TAU, KUMAMOTO」で、あなただけのユニークな旅を始めてみてはいかがでしょうか。