東京都板橋区の新たな複合施設「板橋ととと」内に、ユニークなコンセプトを持つ書店が誕生しました。その名も「タイムトラベル専門書店 utouto」。時間をテーマにした書籍とアイテムを専門に扱う、まさに時間旅行への入り口となる場所です。2025年11月29日より営業を開始します。

utoutoが店舗を構えるのは、大正5年（1916年）に建てられた築109年の「蔵」を改装した建物です。古くからこの地にあった歴史ある建物を活用した空間は、一歩足を踏み入れた瞬間に、現代の喧騒から離れ、時を超えた静寂と穏やかさを感じさせます。この歴史的な空間自体が、書店が提供する「時間旅行」の体験を一層深めてくれるでしょう。

utoutoのコンセプトは「本と文房具と絵、時間のセレクトショップ」。本棚に並ぶのは、単に「過去」や「未来」を描いた作品に留まりません。

ラインナップは多岐にわたり、人類や地域の歴史を深く辿る書籍、大胆な未来を描くSF作品、過ぎ去った日々の記憶を丁寧に紡ぐ日記やエッセイ、そして物理的な時間の概念そのものを哲学的に扱う作品など、人生の時間を多角的に捉え、現在をより豊かに味わうための指南書が厳選されています。utoutoは、訪れる人々に、自身の過去や未来に思いを馳せながら、今を生きるという行為の意味を深く考えるきっかけを提供します。

専門書店ならではの、奥深いテーマ設定は、時間や人生観について思索を深めたい人々にとって、かけがえのない出会いと発見の場となるでしょう。本を通じて、過去の英知に触れ、未来への想像力を高めることで、読者は現在を過ごす時間の価値を再認識できます。

書籍以外にも、utoutoは「時間を感じる」ことをテーマにしたユニークなアイテムや体験を提供します。美しさや機能性を通じて時間の経過を思わせる文房具や、時間や歴史をモチーフにしたアート作品などが展開され、日常の中に時間の概念を持ち込むヒントを与えてくれます。

中でも特筆すべきは、来店客が未来の自分に向けて手紙を書くことができる「時空便」というサービスです。

手紙の保管期間は任意に設定でき、設定された時期にutoutoから未来の自分へ郵送されます。これは、過去の自分から未来の自分へメッセージを送るという、まさに「タイムトラベル」を具現化した体験です。過去や未来の自分に思いを馳せることで、私たちは「今、この瞬間」をより深く、大切に味わうことの重要性を再認識させられます。また、定期的なトークイベントやワークショップの開催も予定されており、常に時間と人生を深く考えるための機会を提供していくとのことです。

utoutoが出店する「板橋ととと」は、江戸初期より板橋区小豆沢の地に続く蓮沼家を改装した複合施設です。敷地内には、母屋や大正時代の蔵など計4棟の建物があり、古い門をくぐると、都心とは思えないほど穏やかな空間が広がっています。この趣のある施設全体の雰囲気が、utoutoの「時間旅行」というテーマを立体的に支えています。

また、同施設内では、東京都・王子に本店を構える人気カフェ「apollon（アポロン）」も営業を開始しており、書店の後には蔵の外でコーヒーを飲みながら、静かに時を過ごすことも可能です。読書の余韻に浸りながら、時空を超えた旅の続きを楽しむことができる最高の環境が整っています。

タイムトラベル専門書店 utoutoは、単に本を売る場所ではなく、人生の時間そのものを見つめ直すための特別な「装置」です。過去から未来への流れの中で、現在を生きる自分の立ち位置を確認したいすべての人にとって、必見のスポットとなるでしょう。

店舗名：タイムトラベル専門書店 utouto

オープン日：2025年11月29日

所在地：「板橋ととと」（東京都板橋区）内

コンセプト：「本と文房具と絵、時間のセレクトショップ」