AI時代に甦る思考の源流。羽生善治九段の伝説的名著『新版 羽生の頭脳3』が33年ぶりに復活!

株式会社マイナビ出版は、将棋界のレジェンド・羽生善治九段が1992年に著した戦術書のバイブルを復刻し、『新版 羽生の頭脳3 急戦、中飛車・三間飛車破り』として2025年11月21日に発売します。AI全盛の現代において、単なる知識ではなく「思考法」や意思決定のプロセスを学べる本書は、将棋ファン必携の一冊です。


伝説のバイブルが33年の時を超えて復活

将棋界に燦然と輝く金字塔が、33年ぶりに装いも新たに帰ってきました。株式会社マイナビ出版は、将棋界の第一人者であり、国民栄誉賞受賞者でもある羽生善治九段が1992年に著した伝説的戦術書をリニューアルし、『新版 羽生の頭脳3 急戦、中飛車・三間飛車破り』として、2025年11月21日に発売することを発表しました。

かつて多くの将棋ファンやプロ棋士志望者が読み耽り、「将棋戦術書のバイブル」と称された『羽生の頭脳』シリーズ。その復刊は、単なる懐古趣味ではありません。現代将棋の基礎を築いた羽生善治九段の思考プロセスそのものを追体験できる、極めて現代的な意義を持った出版プロジェクトなのです。

AIは「答え」を教えるが「思考」は教えない

現代の将棋界において、AI(人工知能)の存在は無視できないものとなりました。AIは瞬時に最善手を弾き出し、膨大な知識と定跡を私たちに提供してくれます。しかし、そこには一つの欠落があります。それは、「なぜその手を指すのか」というプロセス、すなわち「思考法」です。

AIは結果としての「正解」を示してくれますが、そこに至るまでの論理的な道筋や、人間が盤面に向き合った際の迷い、決断の根拠までは教えてくれません。知識量が勝敗を分ける時代だからこそ、その知識を使いこなすための土台となる「考える力」がこれまで以上に求められています。

『羽生の頭脳』シリーズが現代においても色褪せない理由はここにあります。本書は「この形ではこう指す」という単なる定跡パターンの羅列ではありません。「なぜこの形でこう考えるのか」という、羽生九段の意思決定の原理原則に重きを置いて解説されています。この「思考の型」を身につけることこそが、未知の局面に出会った時の応用力となり、AI時代における人間の武器となるのです。

第3巻のテーマは「主導権を握る急戦」

今回発売される第3巻のテーマは「急戦、中飛車・三間飛車破り」です。 将棋の戦法において、中飛車や三間飛車といった「振り飛車」と呼ばれる戦型は、アマチュアからプロまで根強い人気を誇ります。これに対し、居飛車側(攻める側)がどのように対抗するかは永遠の課題です。漫然と駒組みを進めていれば、相手に理想的な形を作られ、作戦負けしてしまうことも少なくありません。

本書において羽生九段が提示するのは、「序盤から主導権を握る急戦策」です。相手の言いなりになるのではなく、自ら積極的に局面を動かし、相手の陣形を崩しにかかる。その攻撃的な指針と具体的な手順が、若き日の羽生九段の明晰な頭脳を通して解説されています。

特に「中飛車破り」「三間飛車破り」といったテーマは、実戦で頻出する局面であり、即効性のある知識として役立つことでしょう。しかし、それ以上に重要なのは、羽生九段がどのように敵陣の隙を見つけ、どのような構想で攻めを開始するのか、その「目の付け所」を学べる点にあります。

33年前の「羽生の頭脳」が現代に通じる理由

著者の羽生善治九段は、1985年に中学生棋士としてデビューして以来、タイトル獲得通算99期、永世七冠達成という前人未到の記録を打ち立ててきました。本書の元となったオリジナル版が執筆された1992年は、羽生九段が20代前半の若さで将棋界の頂点へと駆け上がっていた時期にあたります。

当時、彼が何を考え、どのように将棋の真理を探究していたのか。その熱量と思考の軌跡が、この本には詰まっています。現代将棋の定跡の多くは、この『羽生の頭脳』シリーズで示された考え方がベースになっていると言っても過言ではありません。つまり、本書を読むことは、現代将棋の源流を辿る旅でもあるのです。

情報過多の現代において、物事の本質を見極める力はビジネスや生活のあらゆる場面で重要視されています。「なぜ」を問い続け、自らの頭で考えることの重要性を説く本書は、将棋の棋力向上を目指す人はもちろん、論理的思考力を鍛えたいビジネスパーソンにとっても、多くの示唆を与えてくれるはずです。

商品情報と著者プロフィール

【著者紹介】

羽生善治(はぶ・よしはる) 1970年埼玉県生まれ。1985年に史上3人目の中学生棋士としてプロデビュー。1996年に史上初の七冠独占を達成。2017年には永世竜王の資格を獲得し、史上初の「永世七冠」を達成しました。国民栄誉賞、紫綬褒章など受賞歴多数。その実績と探究心は、将棋界のみならず広く尊敬を集めています。

【書籍情報】

書名:新版 羽生の頭脳3 急戦、中飛車・三間飛車破り

著者:羽生善治

発売日:2025年11月21日

価格:1,914円(税込)

判型:四六判

ページ数:224ページ

ISBN:978-4-8399-90343

発行:株式会社マイナビ出版

新版 羽生の頭脳3 急戦、中飛車・三間飛車破り

¥ 1,914

将棋界の第一人者、羽生善治九段が1992年に著した将棋戦術書のバイブル。 現代将棋の全ての定跡はこの「羽生の頭脳」シリーズをベースにしていると言っても過言ではありません。 各戦型の基本手順をしっかりと学びたい方にオススメの一冊です。 本書の内容は1992年に発売された『羽生の頭脳3 急戦、中飛車・三間飛車破り』と同じものです。

AI時代だからこそ、あえて「人間・羽生善治」の思考に触れる。それは、将棋というゲームを超えて、私たちがこれからどう考え、どう生きていくかという問いへのヒントになるかもしれません。33年の時を経て蘇った名著を、ぜひその手に取ってみてください。


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