装丁はアートではない!鈴木成一デビュー40周年記念、展示作品が全て買える「鈴木成一書店」開店

約15,000冊の装丁を手がけてきたブックデザイナー・鈴木成一氏のデビュー40周年を記念した展示「鈴木成一書店」が、2025年12月5日より下北沢BONUS TRACK GALLERY 1にて開催。最大の特徴は、展示品が全て購入可能な点。会期中は鈴木氏本人が店長として店頭に立つ日もあり、豪華ゲストを招いたプレイベントも多数開催されます。


装丁はアートではない!鈴木成一デビュー40周年記念、展示作品が全て買える「鈴木成一書店」開店

日本のエディトリアルデザイン界に多大な功績を残してきたブックデザイナー、鈴木成一氏のデビュー40周年を記念した特別な展覧会**「鈴木成一書店」**が、2025年12月5日(金)から14日(日)までの10日間、下北沢 BONUS TRACK GALLERY 1にて開催されます。

これまでに約15,000冊という膨大な数の装丁を手がけ、「鈴木成一デザイン室」として、ほぼ1日1冊のペースで作品を生み出し続けてきた鈴木氏。本展は、その40年にわたる活動の集大成ともいえる大規模な企画となります。

「個展」でありながら「書店」である前代未聞の試み

この「鈴木成一書店」の最も画期的な点は、展示されている作品(書籍)のすべてが、その場で購入可能であることです。通常の個展のように鑑賞するだけでなく、実際に本として手に入れられるこの形式は、「装丁はアートではない」という鈴木氏の揺るぎない信念を体現しています。

「いっぱい在庫があるので、10日間限定、弊社装丁限定、購入可能の書店をすることにしました」と鈴木氏本人が語るように、この期間限定の書店では、来場者が気に入った装丁をその場で選び、購入することができます。さらに、会期中には鈴木氏自身が「店長」として店頭に立ち、直接来場者と交流する貴重な機会も設けられる予定です。

豪華ゲストが語る「本を生み出すこと」の真髄

本展の開店に先立ち、鈴木氏と長年深い交流を持つ豪華ゲストを招いたトークイベントが、本屋B&Bにて多数開催されます。

まず、「装丁は夜生まれる〜小説家・編集者・装丁家鼎談」では、直木賞作家の恩田陸氏と、恩田氏の代表作『蜜蜂と遠雷』などで鈴木氏とともに苦楽を共にしてきた幻冬舎の編集者・志儀保博氏が参加。第一線で活躍し続ける小説家、編集者、装丁家の三者が、「本を生み出すこと」の真髄を深く掘り下げます。恩田氏からは「鈴木さんの装丁に励まされ、伴走していただいたことで小説家として成長してこられた」という熱いメッセージも寄せられています。

また、鈴木氏の大きな功績の一つである「イラストレーションを装丁デザインの中心に引き上げた」点に焦点を当てたトークイベント「良い装画ってなんだろう?」が2025年11月6日(木)に開催されます。イラストレーション・ギャラリー「HB GALLERY」のオーナーでイラストレーターの唐仁原多里氏、そして鈴木氏が審査員を務めるコンペティションから輩出された柳智之氏、浅妻健司氏、千海博美氏をゲストに迎え、装画の持つ力と役割を議論します。

さらに、2025年11月21日(金)には「良い装丁ってなんだろう?」と題し、日本を代表する装丁家である祖父江慎氏、名久井直子氏、水戸部功氏が一堂に会します。参加者それぞれが過去・現在の担当書籍を持参し、「良い装丁」の定義について徹底的な議論を繰り広げる、まさに夢の競演が実現します。

企画概要とアクセス

本展示は、鈴木氏とともに3シーズンにわたる〈超実践・装丁の学校〉を開催してきた本屋B&Bと小学館が主催として協力し、本講座の集大成として開催されます。

会期   2025年12月5日(金)~14日(日)

開館時間 11:00−21:00(※最終日のみ18時まで)

会場   BONUS TRACK GALLERY 1

住所   東京都世田谷区代田2丁目36−15

主催   本屋B&B、小学館

プレイベントのチケット購入や、本展に関する最新情報は、本屋B&Bおよび鈴木成一デザイン室の公式SNSで随時発信されます。装丁ファン、本好き、そして日本のデザインに興味のある全ての人にとって見逃せない、この冬最大のイベントとなりそうです。


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