YouTubeチャンネル登録者数40万人超を誇る人気コンテンツ「ゆる言語学ラジオ」のスピーカー、水野太貴氏による待望の初の単著『会話の0.2秒を言語学する』（新潮社刊）が、発売から間もなく重版を重ね、この度4刷・4万部を突破しました。
刊行前からすでに1万3,000冊以上の予約が殺到するなど大きな話題を呼んでいた本書は、日常の「会話」という極めて身近なテーマを、専門的な「言語学」の視点からユニークに解き明かす、大興奮の一冊です。
ゆるく楽しく言語の話をするラジオです。「springはなぜ春もバネも意味するの？」「『象は鼻が長い』の主語は象？鼻？」などの身近なトピックから、コトバの奥深さを感じましょう！「言語学の二歩くらい手前の知識が身につくラジオ」を目指しています。 YouTubeとPodcastで配信中！ できるだけ正確なことを喋ろうと心がけてはいますが、自由気ままな言語トークですので、誤った情報が含まれている可能性があります。諸説あるものも多いです。有益な補足や指摘など、注目すべきコメントにはハートをつけますので、コメント欄も覗いてみてくださいね！ ※ゆる言語学ラジオは、Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。
会話の「0.2秒」に隠された言語の奇跡
本書の核となるのは、「会話のターン・テイキング（話者の交替）」にかかる平均時間、わずか0.2秒という驚くべき事実です。
まるで陸上競技の100メートル走における100ミリ秒単位の競争のように、私たち人間は日々、この極めて短い時間の中で、次に話すタイミングを計り、相手の発言を予測し、自分の発言を構想するという、非常に高度な駆け引きを行っています。
水野氏は、この「0.2秒」の間に、私たちの脳内でどのような高度な処理や予測が行われているのかを、言語学の歴史を大づかみに振り返りつつ、明快に解説していきます。
「食べログ」から日銀総裁会見まで、日常を言語学する
本書の魅力は、その切り口の面白さ、そしてテーマの多様性にあります。水野氏は、学術的な言語学をベースとしながらも、題材とするのは私たちの日常に溢れる具体的な現象です。
「食べログ」のレビューの微妙な言葉遣い、人気のお笑い芸人の話し方の構造、はたまた日銀総裁の会見における発言の意図、そして人気漫画のセリフに至るまで、様々な事象を「言語学」というメスで俎上に載せます。
なぜ私たちは「うまく話せない」と悩んでしまうのか。どうすれば「言語化」能力を高めることができるのか。そして、会話中の**「沈黙」**は本当に怖いものなのか。現代人が抱えるコミュニケーションの悩みに対し、本書は「語用論」を軸に、言語化の隠れた立役者たちを掘り起こし、目からウロコが落ちるような解説を提供します。
慶應義塾大学名誉教授の今井むつみ氏（『言語の本質』共著者）も、水野氏を「研究者ではない言語オタク」と評しつつ、「だからこそ見える言語の本質がここにある」と推薦コメントを寄せています。研究者ではないからこその、等身大で自由な視点と、深遠なリサーチに基づいた分析が、読者に「言語の本質」を分かりやすく伝えます。
「言語学徒への奨学金」というユニークな試み
著者である水野太貴氏は、名古屋大学文学部で言語学を専攻。現在は出版社で編集者として勤務しながら、「ゆる言語学ラジオ」の活動を行っています。
「30歳になるまでに単著を出したい」という約束を果たす形で刊行された本書について、水野氏は「2年間社交を捨ててじっくりリサーチを進め、言語学を学んで自分がどう変わったか、世界がどう見えるようになったのか、等身大の言葉で書き綴った」とコメントしています。
さらに水野氏は、目標としていた3万部を達成したことを受け、**印税の一部を「言語学徒へ奨学金として差し上げようと思う」**というユニークな目標を掲げています。これは、自身の原点である言語学の研究を志す次世代への支援でもあり、水野氏の言語学に対する熱い思いが感じられる試みです。
「会話の沈黙が怖い」「自分の言いたいことを言語化できない」と悩むすべての人へ。本書は、言語の構造と仕組みを知ることで、コミュニケーションに対する見方、ひいては世界の見方を大きく変える、必読の一冊となるでしょう。
＜書籍情報＞
タイトル: 会話の0.2秒を言語学する
著者名: 水野太貴
発売日: 8月27日（水）
定価: 1,760円（税込）
ISBN: 978-4-10-356431-7
出版社: 新潮社
特典情報: 紀伊國屋書店、有隣堂など限定書店では、本書に登場する言語学者のトレーディングカード（全3種）がランダムで1枚付く購入特典を実施中。