深刻な書店減少に立ち向かう、関西大学の革新的な挑戦
この20年間で日本の書店数が半減し、1万店舗を下回るという厳しい現実が突きつけられています。政府が「書店活性化プラン」を公表するなど、地域書店の減少を食い止め、読書文化を活性化させるための動きが活発化する中、関西大学が運営するスタートアップカフェ大阪は、書店に新たな命を吹き込む革新的なプロジェクト「書店ゲーム」を展開しています。
これは、単に本を売る場としてではなく、「書店そのものを楽しむ空間」として再解釈し、書店が本来持つべき「地域の重要な文化拠点」としての役割を担い続けることを目的とした、関西大学オリジナルの取り組みです。

「書く」「作る」「売る」の循環モデルで創作者を育成
「書店ゲーム」プロジェクトの核となるのは、「『書く』、『作る』、『売る』の循環モデル」です。従来の書店は「本を並べて売る」ことが主でしたが、このプロジェクトではその枠を超え、クリエイティブな活動を一体化させます。
「書く」機会の創出: 文章講座等を運営することで、人々に創作意欲を刺激し、実際に文章を「書く」機会を提供します。
「作る」活動への接続: 書いた作品は実際に製本され、「作る」活動へと昇華されます。
「売る」体験の実現: 完成した作品は、シェア型書店など、現実の書店の棚を通じて「売る」ことが可能になります。
参加者は、一つの書店空間内でこれら3つのプロセスを全て体験することで、「書き手」であり「売り手」でもあるという新たな視点を得ることができます。これにより、自ずと書店そのものを深く楽しむ人々を増やし、書店にこれまでなかった価値を付与することを目指しています。

プロの指導で「書きたい」を「書ける」に変える
特に「作る」フェーズにおいては、「書きたいが書けるに変わる創作講座」を運営しています。この講座では、プロの編集者による指導のもと、短編小説、エッセイ、ノンフィクションといった様々なジャンルの執筆方法を実践的に学べます。
受講生は、自ら執筆した原稿を製本した後、TSUTAYA BOOKSTORE梅田MeRISEなどの実際の書店店頭で販売・展示する機会を得ることができます。この実践的な販売経験こそが、「書店ゲーム」の醍醐味であり、創作意欲をさらに高める要素となっています。事実、2024年度の第1期講座では、受講生による600冊以上の販売実績を上げ、その成功が証明されています。
第2期を迎えた現在、受講生は関西大学の学生だけでなく、起業家、エンジニアなど多様な経歴を持つ人々が集まっており、その質の高さと広がりを示しています。創作意欲を持つ異業種の人々が、プロの指導や仲間との対話を通じて文章化の力を磨き、新たな書き手コミュニティを形成しているのです。
「書店ゲーム」は、単なる本の流通の場としての書店ではなく、人々の創作意欲を育み、作品を生み出し、それを社会に届けるクリエイティブな拠点、つまり“遊びの場”として書店を再定義しています。この革新的な取り組みは、書店の魅力を拡充し、読書文化の未来を担う新たな価値観を提示するものとして、全国の書店関係者やクリエイターからも注目を集めています。
スタートアップカフェ大阪について
2016年から関西大学が運営する「起業支援」のための施設で、専門家への起業相談ができ、起業に役立つイベントの企画・実施も行い、起業に関する様々な情報を発信。開設以来、起業準備ができる場所として5,000名を超える相談者が利用している。
あなたのアイデアを形に。起業、複業を目指す人を応援します | スタートアップカフェ大阪
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