第1回：不安を希望に変える！『1日で治せる鼠径ヘルニア読本』との出会い

「なんだか、股の付け根あたりが、膨らんでいるような気がする…」
「痛みはないけれど、なんとなく違和感があるな…」
もし、あなたが今、そんな漠然とした不安を抱えているなら、あるいは、大切な家族やパートナーが、同じようなサインを見せていることに気づいたなら、この連載は、きっとあなたの心に深く響くはずです。私たちは、日々の忙しさに追われ、自分の体の小さな変化を見過ごしがちです。特に、デリケートな場所の不調となると、「誰にも相談できない」「恥ずかしい」と感じてしまい、一人で悩みを抱え込んでしまう方も少なくありません。
でも、どうか安心してください。あなたは決して一人ではありません。そして、その悩みには、確かな解決策と、希望に満ちた未来が待っているのです。

「鼠径ヘルニア」という言葉を、あなたはこれまで耳にしたことがありますか？もしかしたら、「初めて聞いた」という方も少なくないかもしれません。しかし、この病気は決して珍しいものではありません。実際には、全国で年間3万人もの方が鼠径ヘルニアと診断されている、非常に身近な疾患なのです。にもかかわらず、その認知度はまだまだ低く、症状を抱えながらも適切な診断や治療を受けるまでに時間がかかってしまうケースが、残念ながら多く見られます。

本書の冒頭にもある「自己診断チェックシート」を見てみましょう。「太もものつけ根（下腹部）にやわらかいふくらみが出ている」「そのふくらみを手で押し込むと消える」「横になるとそのふくらみがなくなる」といった項目に、心当たりはありませんか？あるいは、「歩き方が少し傾いている」「大浴場に入りたがらなくなった」など、ご家族やパートナーの様子に異変を感じたことはないでしょうか。症状には個人差がありますが、もし一つでも当てはまるなら、それはあなたの体があなたに「SOS」を発しているのかもしれません。

そんな、多くの人が知らずに、あるいは一人で悩んでいる鼠径ヘルニアに対し、希望の光を届ける一冊が誕生しました。その名も、『1日で治せる鼠径ヘルニア読本』。このタイトルに、あなたはきっと驚きを隠せないでしょう。「本当に1日で治るの？」と、半信半疑になるのも無理はありません。しかし、この本は、その疑念を確かな希望に変えるための、具体的な知識と実践的な方法を教えてくれます。

著者の池田義博医師は、長年にわたり鼠径ヘルニア治療の最前線で活躍されてきた、まさにこの分野のスペシャリストです。彼の願いは、一人でも多くの患者さんが、この病気を正しく理解し、早期に治療を受けることで、心から健康で楽しい人生を送ること。本書の「まえがき」で池田先生は、「皆さんは下腹部のあたりに『なんか変だな』という違和感を抱いて、この本を手に取られたのでしょうか。もしくは、ご家族やパートナーが『なんか変』と言っているのを見て、気になって･･････という方もいらっしゃるかもしれませんね」と、読者一人ひとりの心に優しく語りかけます。この言葉に、彼の深い患者さんへの共感と、この本に込めた強い想いが凝縮されています。

池田義博医師は、1972年香川県生まれの医学博士。岡山大学医学部を卒業後、高知医科大学医学部、岡山大学医学部第一外科学教室など、数々の医療機関で研鑽を積まれました。そして2015年、鼠径ヘルニア治療に特化した「Gi岡山そけいヘルニア日帰り手術」を開院。日本外科学会専門医、日本消化器外科学会認定医、日本ヘルニア学会評議員といった輝かしい肩書きを持つ、この分野のエキスパートです。

彼がこの本を執筆した最大の理由は、鼠径ヘルニアが「手術をしないと治らない病気」であるにもかかわらず、その認知度が低いがために、多くの人が症状を放置し、結果的に深刻な状態に陥るケースを目の当たりにしてきたからです。池田医師は、「手術をしないと治りません。でも早期発見すれば、1日で治ります」と、本書の冒頭で力強く宣言しています。これは、病気の現実を伝えるとともに、早期発見・早期治療がいかに重要か、そしてそれがどれほど希望に満ちた選択であるかを、読者に明確に示しているのです。彼の「一人でも多くの方に元気で楽しい人生を送っていただきたい」という願いは、本書全体に込められています。

「もっと早く知っていれば…」「なぜ、もっと早く病院に行かなかったんだろう…」そんな後悔を、あなたはもうする必要はありません。この『1日で治せる鼠径ヘルニア読本』は、あなたが抱える不安を解消し、早期発見・早期治療の大切さを教えてくれるだけでなく、「1日で治る」という具体的な希望を示してくれます。

この本を読み進めることで、あなたは自分の体の異変に気づき、正しい知識を身につけ、そして何よりも、前向きに治療へと踏み出す勇気を得られるはずです。本書は、あなたがヘルニアを治したその先の、もっと自由で、もっと楽しい人生を送るための、確かな一歩となるでしょう。

次回の記事では、本書の主要テーマの一つである「鼠径ヘルニアを放置することの危険性」に焦点を当て、なぜ早期治療が不可欠なのかを、実生活との関連性を示しながら深掘りしていきます。どうぞお楽しみに！